子どもの身長はどこまで伸ばせる?遺伝と環境の影響を科学的に解説

「うちの子、背が低いけど大丈夫かな?」
「親が小さいから、やっぱり伸びにくいのかな…」
子どもの身長について、こうした悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
実は、身長の約70〜80%は「遺伝」によって決まるとされています。

片山 拳心(KATAYAMA KENSHIN)
三重県松阪市のサンパーク1階で、こども運動教室to JOY(トゥージョイ)の代表を務めています。
キッズスイミングスクールやフィットネスジムでの指導経験に加え、消防士として多くの現場にも携わってきました。
現在は、消防を退職後に、科学的根拠に基づく安全で楽しい運動教室を開業。
保有資格
- 運動遊び実践サブリーダー(NPO運動保育士会)
- 子育て脳機能アドバイザー/ディレクター
- 幼児運動遊び実践アシスタント
- キッズコーディネーショントレーナー(KCT)
子どもの身長はどこまで遺伝で決まる?
一卵性双生児(DNAがまったく同じ)と、二卵性双生児(DNAは半分程度)の比較では、
同じ家庭環境でも一卵性の方が、身長の差がほとんどないことがわかりました。
また、養子に出された子どもたちの成長調査では、
育ての親よりも、実の親と身長の傾向が一致するケースが多く報告されています。
さらに、近年のゲノム解析により、身長に関わる遺伝子が700種類以上あることも明らかに。
骨の成長やホルモン分泌に関与するIGF1、GHRなどの遺伝子が特定されています。
長期にわたって子どもの成長を追跡する大規模調査(コホート研究)でも、
身長にもっとも安定して関与していたのは「遺伝」だったと報告されています。
とはいえ、遺伝だけで身長が完全に決まるわけではありません。
栄養・睡眠・運動といった環境要因により、2〜3割程度は「上積み」が可能とされています。

遺伝だけであきらめないで。
身長の“上積み”は、日々の暮らしから生まれますよ。
遺伝だけじゃない!身長を伸ばす環境要因とは
身長は「遺伝7〜8割、環境2〜3割」とされています。
ここでは、親の工夫で変えられる5つの生活習慣をご紹介します。
栄養:成長のための材料をしっかりと
骨や筋肉をつくるためには、材料となる栄養素が欠かせません。
特に意識したいのは、以下の栄養素です。
- たんぱく質(納豆、卵、肉、魚、大豆製品)
- カルシウム(牛乳、チーズ、小魚)
- ビタミンD(鮭、きのこ類)
- 亜鉛・マグネシウム(ナッツ、海藻、玄米)
引用論文
論文タイトル:Nutrition and growth: A review of effects on linear growth and stunting
概要:低栄養の子どもに栄養介入を行った結果、平均5cm以上の身長増加が報告されました。
URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25745421/
睡眠:成長ホルモンが出るゴールデンタイム
成長ホルモンは、眠り始めてから最初の深い眠り(ノンレム睡眠)で最も多く分泌されます。
夜9時までの就寝を目指すとよいでしょう。



睡眠のゴールデンタイムは、入眠から90分以内の深い眠りです
引用論文
論文タイトル:Growth hormone secretion during sleep in normal children
概要:就寝から90分以内に成長ホルモンのピークが訪れることが観測されました。
URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/6251564/
運動:骨に刺激を与えることが大切
骨の成長は、「適度な刺激」によって促されます。
次のような運動を、週3〜5回程度取り入れましょう。
- トランポリン
- なわとび
- 鬼ごっこやかけっこ
引用論文
論文タイトル:Physical activity and bone development in children
概要:ウェイトベアリング運動が骨密度と骨長の増加に有効であることが示されました。
URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10824674/
(4)ストレス:安心できる環境づくりを
ストレスホルモン「コルチゾール」は、成長ホルモンの分泌を抑えてしまいます。
子どもが安心できる家庭環境を整えることが、成長にもつながります。



家ではのびのび過ごせる“安心基地”をつくってあげましょう
引用論文
論文タイトル:Psychosocial stress and growth delay
概要:慢性的なストレス下にある子どもは、発育遅延や低身長のリスクが高いことが示されました。
URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8166150/
発育タイミング:思春期を遅らせる工夫も
思春期のタイミングは、最終身長にも影響します。
早熟になると骨の成長が早く止まり、低身長の原因になることもあります。
- 過度なダイエットは避ける
- 食事制限より栄養のバランスを
- 規則正しい生活習慣を意識
引用論文
論文タイトル:Timing of puberty and final adult height
概要:思春期開始が早いほど、最終身長が低くなる傾向があると報告されています。
URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11802512/
保護者は今できることから始めてみよう
本記事では、子どもの身長に影響を与える「遺伝」と「生活環境」についてご紹介しました。
子どもの身長を伸ばすために意識したいこと
- 身長の70〜80%は遺伝によって決まる
- 残りの20〜30%は生活習慣で変えられる
- 栄養・睡眠・運動・ストレス・思春期の管理が重要
子どもの身長は、決して遺伝だけで決まるものではありません。
小さな工夫の積み重ねが、将来の“伸びしろ”をつくっていくのです。
\ 代表•かたやまの子育てお役立てコラム /
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そんな保護者の声に応えるのが、
三重県松阪市のサンパーク1階『こども運動教室 to JOY(トゥージョイ)』です。


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