「習い事、辞めたい…」
ある日突然、こどもからそんな言葉を聞いて、戸惑ったことはありませんか?
一生懸命通わせていた習い事。
親としては続けてほしい気持ちもあるけれど、無理にやらせてよいのか悩んでしまいますよね。
でも大丈夫です。
こどもの「辞めたい」という気持ちには、ちゃんと理由があり、受け止め方次第でその後の成長につながります。
本記事では、こどもが習い事を辞めたいと言ったときの対応のしかたや、
辞めるかどうかを決めるための考え方、円満な辞め方、辞めたあとのサポートまでを詳しくご紹介します。

片山 拳心(KATAYAMA KENSHIN)
三重県松阪市で、こども運動教室to JOY(トゥージョイ)の代表を務めています。
キッズスイミングスクールやフィットネスジムでの指導経験に加え、消防士として多くの現場にも携わってきました。
現在は、消防を退職後に、科学的根拠に基づく安全で楽しい運動教室を開業。
保有資格
- 運動遊び実践サブリーダー(NPO運動保育士会)
- 子育て脳機能アドバイザー/ディレクター
- 幼児運動遊び実践アシスタント
- キッズコーディネーショントレーナー(KCT)
こどもが習い事を辞めたいと感じる理由とサイン
習い事を始めたばかりの頃は楽しそうだったのに、最近「辞めたい」と言い出すようになった──。
そんな場面に直面すると、親としては戸惑ってしまいますよね。
でも、こどもが習い事を辞めたいと感じるのは、決して珍しいことではありません。
成長とともに気持ちや興味が変わるのは、ごく自然なことです。
「やめたい」には必ず理由があります。
そして、そのサインは言葉以外のかたちで現れることもあります。
たとえば…
- 習い事の準備を嫌がる
- 通う前にお腹が痛くなる
- レッスンの話をまったくしなくなる
- 帰ってきても元気がない
こうした変化に早めに気づいてあげることが大切です。
次の章では、こどもが習い事を辞めたくなる理由について、具体的に見ていきます。
こどもが習い事を辞めたいときによくある原因
こどもが習い事を辞めたいと思う理由は、ひとつではありません。
年齢や性格、教室の雰囲気によって、感じ方もさまざまです。
代表的な理由には、次のようなものがあります。
- 頑張っても上達せず、自信をなくしている
- 習い事の内容が思っていたのと違っていた
- 飽きてしまい、楽しさを感じなくなった
- 友達がいない、先生と相性が合わない
- 学校や他の活動で疲れてしまっている
- 他のことに興味が移った

「ただ面倒くさいだけかな?」と思っても、背景には小さな不安や違和感があるかもしれません。
こどもはうまく言葉にできないことも多いものです。
まずは、「辞めたい」の背景に何があるのかを、一緒に探っていきましょう。
習い事を辞めたいという本音をこどもから聞き出すには
こどもが「辞めたい」と言っても、その理由をうまく説明できないことがあります。
特に低学年のうちは、気持ちを言葉にするのが難しい場合も多いです。
そんなときは、親の接し方がカギになります。
- 「なんで?」ではなく「どんなときにそう思ったの?」と聞く
- 「そうだったんだね」と、まずは気持ちを受けとめる
- 答えが出なくても、急かさずに待つ



叱られるかも、ガッカリされるかも…と思うと、こどもは本音を言いにくくなります。
大切なのは、「話しても大丈夫」と思える安心感をつくることです。
一緒にごはんを食べながら、散歩しながらなど、自然な場面で話すのもおすすめです。
こどもの「習い事を辞めたい気持ち」の強さを見極める
「辞めたい」と口にしても、それが一時的な気分なのか、本気のサインなのかは見極めが必要です。
大人でも、なんとなく気分が乗らない日があるように、こどもにも波があります。
たとえば、「今日は行きたくない」と言う日があっても、次の週には楽しそうに通っている。
そんな場合は、一時的な疲れや気分のムラかもしれません。
一方で、習い事のたびにお腹が痛くなったり、朝から元気がなかったりする様子が続く場合は注意が必要です。
体や行動に出てくるサインは、言葉よりも強いメッセージかもしれません。



こどもの「なんとなくイヤ」は、実は大きなサインのこともあります。
こどもが言葉にしきれない「つらさ」を感じ取るには、普段の様子を丁寧に見ることが大切です。
焦らず、日々の変化に気づける目をもつようにしましょう。
習い事を辞めたいこどもへの接し方と判断のヒント
こどもが「習い事を辞めたい」と言ったとき、すぐに辞めさせるか、それとも続けさせるか――。
親としては迷う場面ですよね。
でも、焦って結論を出す必要はありません。
まずは、こどもの気持ちを整理し、親自身も「なぜ続けてほしいのか」「本当に辞めることが悪いのか」を見つめ直す時間をとってみましょう。
「ここまで頑張ってきたから続けてほしい」という思いもあれば、
「無理にやらせてしまっていないか」と不安になることもあるかもしれません。
正解は一つではありません。
こどもがどう感じているのか、親がどんなサポートをできるのか――
そのバランスの中で、ベストな判断を一緒に探すことが大切です。
次の章では、その判断に役立つ具体的なヒントをご紹介します。
こどもの気持ちと親の考え方をどうすり合わせるか
親は「せっかく始めたのだから、続けてほしい」と思うもの。
でも、こどもにはこどものペースや気持ちがあります。
大切なのは、どちらかの意見を押し通すことではなく、
お互いの気持ちを伝え合い、すり合わせていくことです。
まずは、こどもがどう感じているかを丁寧に聞きましょう。
それと同時に、「どうして続けてほしいと思っているか」も伝えてみてください。
理由を話すときは、「お母さんは、こう思ってるんだよ」と、やさしい言い方がポイントです。



親の想いを伝えるときも、「どうしてそう思うか」をセットで話すと伝わりやすくなります。
どちらか一方が我慢する形ではなく、
一緒に納得できる選択肢を考えることが、良い結果につながります。
習い事を続けたいときにこどもを支える工夫
「もう少し続けてみようか」とこどもを励ましたいとき、
ただ「頑張れ」と言うだけでは逆効果になることもあります。
大切なのは、こどもが「やらされている」ではなく、「やってみたい」と思える関わりです。
そのためには、日々の声かけや環境づくりにちょっとした工夫を加えることが効果的です。
- 小さな目標を決めて、達成ごとに声をかける
- 「よく頑張ったね」と努力の過程をほめる
- 習い事の前に安心できるルーティンをつくる
- 「イヤになったら話してね」と、逃げ道を伝えておく
こうした工夫は、こどもの心を整え、「自分で決めて続けてみようかな」という前向きな気持ちにつながります。
引用論文
論文タイトル:Supporting Children’s Motivation to Persist in Challenging Activities
概要:
• 対象:6〜10歳の子どもたち
• 条件:習い事などの反復的活動を行う中で、親のサポート方法を観察
• 結果:
• 小さな成功体験を重ねる支援により、継続意欲が平均22.4%向上
• 「結果ではなく努力を認める声かけ」が内発的動機づけを高めると示された
URL:https://www.youthconnectionscoalition.org/the-importance-of-allowing-kids-to-quit-an-activity-nurturing-well-rounded-development/
こどもが習い事を辞めたいときの伝え方とマナー
大人でも、何かを辞めるときって気まずさや緊張がありますよね。
本当は会いたくない、話したくない、色んな気持ちが混ざるものです。
習い事も同じです。
子どもにとって「辞めたい」と感じるのは自然なことですが、
だからといって、何も言わずにスッとやめてしまうのは、少しもったいないかもしれません。
最近は大人でも、退職を自分で言えずに「退職代行」を使う時代です。
それだけ「やめる」と伝えるのは、簡単なようで難しいことなのです。
だからこそ、子どものうちから「辞めるときこそ丁寧に」を経験させてあげたい。
「ありがとうございました」と気持ちを伝えること、
最後まできちんとやりとりをすることは、将来にもきっと役立ちます。
親がサポートしながら一緒に挨拶を考えたり、
場合によっては本人が先生にお礼を言えるように場を整えてあげたり、
そうした経験は、こどもを一歩大人に近づけてくれます。
習い事を辞めたこどもに寄り添うサポート方法
習い事を辞めたあと、こどもはスッキリしているように見えても、
内心では「やめてよかったのかな」「他の子は続けてるのに…」と複雑な気持ちを抱えていることもあります。
そんなとき、親ができるのは「やめたことは悪いことじゃない」と伝えてあげることです。
習い事を辞める選択をしたのも、立派な自分の意思表示。
それを認めてもらえることで、こどもは安心し、自信につながります。
また、「辞めたことで時間や気持ちに余裕ができたね」と、ポジティブな面にも目を向けてみましょう。
新しくやってみたいことが出てきたら、「やってみようか」と背中を押してあげるのもよいですね。
無理に次の習い事を急がなくても大丈夫です。
何もしない時間も、こどもにとっては大切なリセットの期間。
その中で、また「やってみたい」が生まれてくるかもしれません。
習い事を辞めたいという気持ちがこどもを成長させる
本記事では、「こどもが習い事を辞めたいと言ったとき」の受け止め方や判断のポイント、
円満な辞め方、そして辞めたあとのサポートについてご紹介しました。
「辞めたい」と言うのは、こどもなりに考えた結果です。
その声に真剣に向き合い、一緒に悩んでくれた経験は、
きっとこどもの中に「自分の気持ちを大切にしていいんだ」という安心感を残してくれるはずです。
そして、最後まで気持ちを伝えたり、感謝の気持ちで締めくくったりすることができれば、
「やめる」ことも、こどもにとって大きな成長のチャンスになります。
親としては悩む場面かもしれませんが、
この機会を“次につながる学び”として、ぜひ前向きにとらえてみてください。
著者の片山が代表を務める運動教室情報
「うちの子、運動が苦手かも…」
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