子どもに筋トレは必要?成長期でも安心して取り入れる方法

「子どもに筋トレをさせると身長が伸びなくなるのでは?」と不安に思う保護者は少なくありません。特に成長期の体に負担をかけてしまうのでは、と心配する声をよく耳にします。
しかし、最新の研究では正しく行う子どもの筋トレは成長を妨げないことが明らかになっており、むしろ基礎体力の向上や姿勢改善、ケガ予防に役立つとされています。
私が松阪市で運営している「こども運動教室 toJOY」でも、遊びを中心にした運動を通じて体の土台を作る取り組みを行っています。日常生活やスポーツにつながる動きを身につけることは、成長期の子どもにとって大切な基礎作りです。
本記事では、子どもの筋トレが成長に与える影響や、安全に取り入れる方法、生活習慣との関わりについて詳しく解説します。読み終えた後には、安心してお子さんの成長を応援できるヒントが見つかるはずです。

片山 拳心(KATAYAMA KENSHIN)
三重県松阪市のサンパーク1階で、こども運動教室to JOY(トゥージョイ)の代表を務めています。
キッズスイミングスクールやフィットネスジムでの指導経験に加え、消防士として多くの現場にも携わってきました。
現在は、消防を退職後に、科学的根拠に基づく安全で楽しい運動教室を開業。
保有資格
- 運動遊び実践サブリーダー(NPO運動保育士会)
- 子育て脳機能アドバイザー/ディレクター
- 幼児運動遊び実践アシスタント
- キッズコーディネーショントレーナー(KCT)
子どもと筋トレ|身長への影響と安全性を正しく理解しよう
子どもの筋トレは「身長が伸びなくなるのでは?」という不安がつきものです。しかし、最新の知見では、正しい方法なら成長を妨げる心配はほとんどありません。
ここでは、子どもの筋トレと身長の関係、安全に取り入れるポイントを整理します。不安を解きほぐし、安心して始めるための土台を作っていきます。
「子どもに筋トレをすると身長が伸びない」は誤解
この通説は長く語られてきましたが、科学的根拠は乏しいと示されています。適切なプログラムに沿えば、子どもの筋トレは安全で健康上の利点が期待できます。
骨が伸びる部分である骨端線(成長軟骨)への悪影響は、適切な負荷ではほとんど報告されていません。むしろ骨の強度や筋力の増加、成長ホルモン分泌の促進といった好影響が示唆されています。

正しいやり方の子ども筋トレは、成長を止めません。安心して、基礎づくりから始めましょう。
- 適切な負荷と回数設定
- 正しいフォームの反復
- 段階的な難度調整
- 休養と栄養の両立
上のポイントを守れば、子どもの筋トレは成長を支えやすくなります。不安な場合は、まず軽い強度と回数から始めましょう。
子どもの身長について他の記事でも紹介しています。ぜひこちらも併せてお読みください。


正しい筋トレで子どもは安全に成長できる
「子どもが筋トレをするとケガをしやすいのでは?」という不安を持つ保護者は少なくありません。実際、発育期の体はまだ未熟な部分もあり、過度な負荷には注意が必要です。
一方で、ケガの原因はストレッチ不足だけではないことがわかっています。かつては「柔軟性が低いからケガをする」と考えられていましたが、近年ではそれだけで説明できないとされています。
- 筋力不足による体の支えの弱さ
- バランス感覚や体幹の安定性の欠如
- 繰り返される動作やオーバートレーニング
- 不適切なフォームでの運動
つまり、子どもが安全に成長するには、柔軟性よりも筋力を整えることが欠かせないのです。基礎的な筋トレを取り入れることで、体を支える力が高まり、スポーツや日常の動作でのケガを防ぎやすくなります。
特に自重を使ったトレーニングは無理のない範囲で行え、子どもの体幹を安定させるのに効果的です。筋トレを「ケガの原因」とみなすのではなく、「ケガを防ぐ手段」として前向きに取り入れていくことが大切です。
子どもに最適な筋トレ|自重と体幹トレーニングで基礎をつくる
子どもの筋トレは、ただ筋肉をつけるだけでなく、体を安定させる力や基礎体力を養うことが大切です。そこで取り入れたいのが体幹トレーニングと自重トレーニングです。さらに成長に応じてウェイトトレーニングを段階的に加えることで、より効果的に体を強くできます。
種類 | 目的・効果 | 年齢目安 | 代表的な種目 |
---|---|---|---|
体幹トレーニング | 姿勢改善、バランス力向上、ケガ予防 | 小学校中学年〜 | プランク、サイドプランク、ブリッジ |
自重トレーニング | 基礎体力、瞬発力、敏捷性の向上 | 小学校高学年〜中学生 | 腕立て伏せ、スクワット、ボックスジャンプ、反復横跳び |
ウェイトトレーニング | 筋力増強、競技力アップ | 15歳前後〜(高負荷は18歳〜) | 軽いメディシンボール、チューブ、ダンベル |
このように種類ごとに役割や年齢目安が異なるため、子どもの成長に合わせて段階的に取り入れることが重要です。
体幹トレーニングで子どもの姿勢と安定性を育てる
体幹トレーニングは、体の中心部を安定させることを目的とした運動です。研究でも、体幹を鍛えることで走力やバランス力が向上することが示されています。
- プランク(うつ伏せで体を一直線に保つ)
- サイドプランク(横向きで体を支える)
- ブリッジ(仰向けで腰を持ち上げる)
これらは静的な姿勢保持を中心とし、姿勢改善やケガ予防につながる基礎的な運動です。特に小学校中学年以降であれば、体幹の安定性が発達し始めるため、安全に取り入れることができます。
自重トレーニングで子どもの全身の基礎体力を高める
自重トレーニングは、自分の体重を負荷として利用する運動で、全身の基礎体力づくりに役立ちます。また、動きの大きな運動が多いため、瞬発力や敏捷性も鍛えられます。
- 腕立て伏せ(上半身の基礎づくり)
- スクワット(下半身の筋力強化)
- ジャンプスクワットやボックスジャンプ(プライオメトリクス=瞬発力を高める運動)
- 反復横跳び(敏捷性アップ)



遊びの延長で取り組めるのが特徴で、楽しみながら体を強くできます。
小学校高学年から中学生にかけては、自重トレーニングが特に効果を発揮することが研究でも報告されています。成長期の基礎づくりとして、安全かつ効果的に導入できる時期です。
ウェイトを使った筋トレは段階的に導入すれば効果的
ウェイトトレーニングは、自重よりも高い負荷をかけられるため、筋力向上に効果的です。ただし、重さを扱うため、自重トレーニングよりケガのリスクは高まります。
日本体育協会では、ウェイト導入の目安を「15歳前後」、高負荷のトレーニングは「18歳前後」としています。それ以前でも、軽いチューブやメディシンボールを使った運動なら、安全に取り組めるとされています。
- 自重でフォームを習得する(小学校高学年〜)
- チューブや軽い負荷で体の使い方を学ぶ(中学生〜)
- 成長に合わせて段階的に重さを増やす(高校生以降)



焦らず段階を踏むことで、ケガを防ぎながらパフォーマンスを高められます。
子どもの筋トレと生活習慣|成長を支える総合的なアプローチ
子どもの成長を支えるのは筋トレだけではありません。成長期には、発育段階に合わせた運動の工夫や、十分な栄養・休養のバランスが欠かせません。
筋トレと生活習慣をセットで考えることで、子どもの体はより安全に、そして大きく伸びていきます。本章では、筋トレと生活習慣の関わりを整理していきます。
子どもの発育段階に合わせた筋トレの工夫
ジュニア期の子どもは、年齢によって体の発達が異なるため、同じ筋トレでも適切な方法が違います。日本スポーツ協会の指針では、以下のような段階的なアプローチが推奨されています。
- 3~9歳(幼児期~小学校低学年):遊びを中心に、走る・跳ぶ・投げる・這うといった多様な動きを体験し、体の基礎的な動作を身につける。
- 10~15歳(小学校高学年~中学生):体幹や自重を使った筋トレを導入し、基礎を固める時期。多様なスポーツ経験が将来の高負荷トレーニングへの安全な移行につながる。
- 16~18歳(高校生):専門性を深める段階。競技特性に合わせて強度を高め、高負荷のウェイトトレーニングも段階的に導入。
私が運営している「こども運動教室 toJOY」(松阪市)でも、3歳から9歳の子どもたちを対象に、遊びを中心とした運動を取り入れています。走る・跳ぶ・投げるなど多様な動きを経験しながら、体の基礎的な動作を自然に身につけられるよう工夫しています。
著者の片山が代表を務める運動教室情報
「うちの子、運動が苦手かも…」
そんな保護者の声に応えるのが、
三重県松阪市のサンパーク1階『こども運動教室 to JOY(トゥージョイ)』です。


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- 苦手な運動が 人目を気にせずに克服できる「パーソナルレッスン」
- きょうだいや友達と一緒に受けられる「グループレッスン」
- 雨・酷暑・ 花粉が 厳しい時期でも自由に遊べる「室内公園」



👉 詳しくはto JOY公式ページ、公式インスタグラム、
申し込みやご質問は公式ラインでお待ちしております。



「発育段階に応じた刺激と負荷をかける」ことが、安全に子どもの成長を促すカギとなります。
栄養・休養と筋トレのバランスで成長を最大化する
どれだけ筋トレをしても、栄養や休養が不足すると効果は半減します。特に成長期は「食べる・寝る・動く」の三つをバランスよく整えることが重要です。
- 毎日3食、栄養バランスの取れた食事を摂ることが基本。特にタンパク質・カルシウム・鉄分を意識する。
- 思春期の無理な減量はエネルギー不足を招き、ホルモンバランスや骨の成長に悪影響を与えるため避ける。
- 週に1〜2日の休養日を設けることで、疲労回復と「超回復」による筋力向上を促す。



トレーニング・栄養・休養を三位一体で整えることで、子どもの筋トレ効果は最大化し、ケガや燃え尽き症候群のリスクを減らせます。
子どもの筋トレがもたらす未来
本記事では「子どもの筋トレ」について、安全性や効果、生活習慣との関わりを解説してきました。誤解されやすい「身長が伸びない」という不安は科学的に否定されており、適切な筋トレはむしろ成長をサポートします。
体幹や自重を中心としたトレーニングは、遊び感覚で取り組める安全な方法であり、将来のスポーツパフォーマンスやケガ予防に役立ちます。また、筋トレは単体ではなく、栄養・休養とあわせて考えることで効果を最大化できます。
子どもの筋トレは「正しく・楽しく・段階的に」行うことで、体の成長と自信の育成につながる ということを、ぜひ心に留めていただければと思います。
子どもの身長について他の記事でも紹介しています。ぜひこちらも併せてお読みください。
引用論文
- Resistance Training in Youth: Benefits, Risks, and Recommendations
概要:ジュニア期の子どもを対象に、筋トレの安全性と効果を検証。適切なプログラムは筋力向上や骨密度改善に有効であり、成長板への悪影響は認められなかった。 - Effects of Strength Training on Children and Adolescents
概要:小中学生を中心としたレビュー。筋力トレーニングは身体能力の向上だけでなく、心理的な自信や学習意欲の向上にも寄与する可能性を示した。 - Youth Physical Training and Long-Term Athletic Development
概要:子どもの長期的な発達モデルを分析。発育段階に応じた負荷設定が重要であり、早期から体幹・自重運動を取り入れることで安全な競技力向上が可能と報告。 - Resistance Training and Growth Plate Health
概要:思春期前後の子どもを対象に、骨端線(成長板)への影響を検証。適切な強度で行う筋トレは成長を妨げず、骨密度を強化する可能性が示された。 - Neuromuscular Adaptations in Youth Training
概要:筋トレが子どもの神経系に与える影響を分析。神経筋協調性の改善により、敏捷性やスピードが向上し、競技パフォーマンスに良い影響を与えると結論。 - NSCA Position Statement: Youth Resistance Training (2009)
概要:米国ストレングス&コンディショニング協会による立場表明。子どもの筋トレは安全で効果的であり、長期的な健康やスポーツ能力向上に寄与することを公式に示した。 - Strength Training and Injury Prevention in Children
概要:ジュニアアスリートのケガ予防に関する研究。筋力不足よりも適切な筋トレ不足がケガの要因となる場合が多く、トレーニングの重要性を示した。 - 青森県スポーツ科学センター報告書(2023年度)
概要:県内の小中学生を対象にした調査。基礎体力向上において、自重や体幹トレーニングの有効性が確認され、学校教育でも導入が進められている。 - Training Groups by Biological Maturity (Peak Height Velocity)
概要:子どもを「身長成長のピーク(PHV)」でグループ分けしてトレーニングを行った研究。成熟度に応じた負荷調整が効果的であることを示した。 - Resistance Training Guidelines for Young Athletes
概要:若年アスリート向けの最新ガイドライン。安全性を確保しながら筋トレを取り入れるための方法と、パフォーマンス向上への科学的根拠をまとめている。
「うちの子、運動が苦手かも…」
そんな保護者の声に応えるのが、
三重県松阪市のサンパーク1階『こども運動教室 to JOY(トゥージョイ)』です。


to JOYでは、従来の体操教室やスポーツ少年団ではなく、
こども運動教室to JOYではこどもに合った活用方法が見つかる!
- 苦手な運動が 人目を気にせずに克服できる「パーソナルレッスン」
- きょうだいや友達と一緒に受けられる「グループレッスン」
- 雨・酷暑・ 花粉が 厳しい時期でも自由に遊べる「室内公園」



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