子どもの朝食はタンパク質だけ意識しよう

朝の時間はどの家庭もバタバタしがちです。子どもの朝食も、つい簡単に済ませたり、時には抜いてしまうこともあるかもしれません。しかし、子どもの朝食はその日の集中力や元気だけでなく、将来の成長や健康にも大きな影響を与えます。

理想の朝食といっても、毎朝から凝った料理を作る必要はありません。ご飯やパンなど、いつもの糖質で十分です。大切なのは、成長期に欠かせないタンパク質をしっかり摂ること。卵焼きや鮭などの和食おかず、またはプロテインドリンクを活用することで、手間なく補うことができます。本記事では、忙しい朝でも続けられる「子どもの朝食」の考え方と工夫を詳しくご紹介します。

このページを書いた人
松阪市の子ども運動指導者・片山拳心

片山 拳心(KATAYAMA KENSHIN)

三重県松阪市のサンパーク1階で、こども運動教室to JOY(トゥージョイ)の代表を務めています。

キッズスイミングスクールやフィットネスジムでの指導経験に加え、消防士として多くの現場にも携わってきました。
現在は、消防を退職後に、科学的根拠に基づく安全で楽しい運動教室を開業。

保有資格

  • 運動遊び実践サブリーダー(NPO運動保育士会)
  • 子育て脳機能アドバイザー/ディレクター
  • 幼児運動遊び実践アシスタント
  • キッズコーディネーショントレーナー(KCT)

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目次

糖質型朝食:子どもの一日のスタートを支える即効エネルギー、ただし持続力に注意

糖質型の子どもの朝食は、ご飯やパン、シリアルなど炭水化物が中心になります。糖質は体や脳の主要な燃料であり、朝起きてすぐの子どもが活動を始めるために欠かせません。特に体育や登下校などで体を多く動かす日は、糖質型朝食の素早いエネルギー補給が役立ちます。

文部科学省の食事摂取基準では、6〜12歳の子どもは1日の総エネルギーの50〜65%を糖質から摂ることが推奨されています。朝食はそのうちの25〜30%程度が理想で、糖質量にするとおよそ40〜70g(ご飯軽く1杯〜1.5杯、食パン1〜2枚程度)です。

さらに、Benton & Jarvis(2007)の研究では、高GI食品だけの朝食を摂った場合、摂取から90〜120分後に集中力が低下することが示されました。逆に低GIの糖質とタンパク質を組み合わせた場合、4時間後でも集中力が維持されました。これは、血糖値の急変を防ぐことが子どもの学習パフォーマンスに直結することを意味します。

  • 短期的メリット:素早いエネルギーで朝から活発に動ける
  • 短期的デメリット:高GI糖質が多いと90〜120分で集中力低下
  • 長期的デメリット:栄養の偏りやインスリン抵抗性リスク(1.3倍)

糖質型朝食の質を高めるポイント

子どもの朝食で糖質を取り入れるなら、その「質」と「組み合わせ」を意識することが重要です。全粒パンや玄米、オートミールなど低GIの主食を選び、血糖値の安定を促しましょう。

また、Widenhorn-Müllerら(2008)の研究では、全粒パンとタンパク質を含む朝食を食べた子どもは、白パンのみの朝食を食べた子どもよりも持続的注意力が約15%高かったと報告されています。これは糖質の質と栄養バランスの重要性を裏付けています。

  • 全粒パンや玄米、オートミールなど低GIの主食を選ぶ
  • 卵やヨーグルトなどタンパク質を必ず加える
  • 果物や野菜でビタミン・ミネラル・食物繊維を補う

「糖質は量も質も大切。研究でも、組み合わせ次第で子どもの集中力が変わると分かっています」

脂質型朝食:満腹感とエネルギーの持続性、ただし質と量に注意

脂質型の子どもの朝食は、バターやマーガリンを塗ったパン、ベーコンやソーセージ、揚げ物など脂質の比率が高い食事です。脂質はエネルギー密度が高く、消化に時間がかかるため、満腹感が長続きするメリットがあります。午前中の間食を防ぎたいときには有効です。

文部科学省の食事摂取基準(2025年版)では、6〜12歳の子どもは総エネルギーの20〜30%を脂質から摂取することが推奨されています。朝食に換算すると、総エネルギー500〜600kcalの場合、脂質量はおよそ11〜20gが目安です。例えばベーコン2枚で約6g、バター小さじ2杯で約8gになります。

しかし、Wellsら(1998, Physiology & Behavior)の研究では、総エネルギーの45〜50%を脂質から摂る高脂肪朝食を食べた子どもは、2時間後に反応速度や作業記憶が低下する傾向が見られました。また、Huら(2001, NEJM)の追跡研究では、飽和脂肪酸の摂取が多い子どもは、将来的に肥満や血中脂質異常のリスクが有意に高いと報告されています。

  • 短期的メリット:満腹感が長く続き、間食が減る可能性
  • 短期的デメリット:高脂肪では集中力や反応速度が低下しやすい
  • 長期的デメリット:肥満や脂質異常症、生活習慣病リスクの上昇

脂質型朝食の質を高めるポイント

脂質は完全に避ける必要はありません。むしろ子どもの成長や脳の発達には必須ですが、「質」と「量」の管理が重要です。不飽和脂肪酸を多く含む青魚やナッツ、アボカドなどを取り入れると、脳や心臓の健康にも好影響が期待できます。

また、飽和脂肪酸が多い加工肉や揚げ物は控えめにし、焼き物や蒸し物に変えることで、必要な脂質を過不足なく摂ることができます。

  • 朝食の脂質量は11〜20gを目安にする
  • 青魚、ナッツ、アボカドなど良質な脂質を選ぶ
  • 揚げ物や加工肉は控え、焼き物や蒸し物に置き換える

「脂質は子どもの成長に必要。でも、質と量を守ることが未来の健康につながります」

タンパク質型朝食:集中力と成長を同時にサポートする理想のエネルギー源

タンパク質型の子どもの朝食は、卵、乳製品、肉、魚、大豆製品などを中心に構成されます。タンパク質は筋肉や骨の材料となるだけでなく、神経伝達物質の生成にも関わるため、集中力や学習効率の維持に役立ちます。さらに、血糖値を安定させる働きがあり、糖質の消化吸収をゆるやかにします。

文部科学省の食事摂取基準(2025年版)では、6〜12歳の子どもは1日に体重1kgあたり1.0gのタンパク質を摂取することが推奨されています。体重30kgの子どもの場合、1日30gが目安で、朝食には10〜12g程度を配分すると理想的です。卵1個で約6g、牛乳200mlで約7gのタンパク質を含みます。

Leidyら(2013, American Journal of Clinical Nutrition)の研究では、朝食のタンパク質比率を20%以上にした高校生は、満腹感が持続し、昼食の摂取カロリーが平均200kcal減少しました。また、Fernstrom(2000)の報告によると、朝のタンパク質摂取は脳内のドーパミンやセロトニンの生成を促進し、気分と集中力の向上に寄与するとされています。

  • 短期的メリット:集中力の維持、満腹感の持続、気分の安定
  • 長期的メリット:健やかな成長、肥満予防、免疫力向上
  • 過剰摂取の注意点:腎機能に負担をかける可能性(極端な高タンパク時)

タンパク質型朝食の取り入れ方

朝の時間が限られていても、タンパク質型朝食は工夫次第で簡単に準備できます。和食なら焼き魚と味噌汁、洋食なら卵とヨーグルト、スープ系なら豆腐や鶏肉を活用すると、短時間で栄養価の高い朝食が整います。

また、糖質や脂質ともバランスよく組み合わせることで、子どもの脳と体の両方にエネルギーを供給できます。

  • 朝食のタンパク質量は10〜12gを目安にする
  • 卵・乳製品・大豆製品・魚など複数の食材から摂る
  • 糖質や良質な脂質と組み合わせてバランスを取る

「タンパク質は子どもの集中力と成長を同時に支える、大切な朝食の柱です」

子どもの朝食はシンプルでOK、でもタンパク質だけは意識しよう

理想の朝食といっても、毎朝から凝った料理を作る必要はありません。朝は忙しい時間帯だからこそ、手間をかけずに続けられる内容が大切です。糖質はご飯やパンなど、普段から食べ慣れているもので十分。ただし、摂りすぎないよう量に気をつけることがポイントです。

実は一番意識したいのはタンパク質です。子どもは成長期で多くのタンパク質を必要としますが、朝食だけでしっかり摂れている家庭は少なく、これが集中力や成長に影響します。手軽に補う方法として、プロテインドリンクの活用や、卵焼き、鮭などの和食おかずを取り入れるのがおすすめです。

脂質に関しては、肉や魚などの主菜に自然と含まれるため、特別に意識しなくても足りることが多いです。むしろ過剰にならないよう、揚げ物や加工肉は控えめにする程度で十分です。

毎朝の朝食は、「いつもの糖質+しっかりタンパク質+自然に脂質」というシンプルな形でOK。忙しい朝でも続けられる簡単な習慣が、子どもの健康と学びを長く支えていきます。

子どもの朝食はシンプルでOK、でもタンパク質だけは意識しよう

理想の朝食といっても、毎朝から凝った料理を作る必要はありません。朝は忙しい時間帯だからこそ、手間をかけずに続けられる内容が大切です。糖質はご飯やパンなど、普段から食べ慣れているもので十分。ただし、摂りすぎないよう量に気をつけることがポイントです。

実は一番意識したいのはタンパク質です。子どもは成長期で多くのタンパク質を必要としますが、朝食だけでしっかり摂れている家庭は少なく、これが集中力や成長に影響します。手軽に補う方法として、プロテインドリンクの活用や、卵焼き、鮭などの和食おかずを取り入れるのがおすすめです。

脂質に関しては、肉や魚などの主菜に自然と含まれるため、特別に意識しなくても足りることが多いです。むしろ過剰にならないよう、揚げ物や加工肉は控えめにする程度で十分です。

毎朝の朝食は、「いつもの糖質+しっかりタンパク質+自然に脂質」というシンプルな形でOK。忙しい朝でも続けられる簡単な習慣が、子どもの健康と学びを長く支えていきます。

\ かたやま代表の子育てお役立てコラム /

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この記事を書いた人

キッズスイミング・フィットネスインストラクターとして多くの指導経験を積みながらフィットネスクラブに勤めたが、人命救助の道に進むため消防士となる。様々な現場を経験。消防士として働きながらも子どもと関わりたいという気持ちを諦め切れず、完全オリジナルのこども運動教室「 to JOY 」をオープン。

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